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印刷2020/05/01 00:00

プレイレポート

外に出られない今こそ「アイドル(放置)ゲーム」を楽しもう! Steamで手軽に始められる6作品を紹介

 新型コロナウイルス対策による外出自粛が必要な現在,家にいる時間が増えた人はかなり多いのではないだろうか。プライベートの外出自粛はもちろん,仕事でもテレワークが推奨されているため,自然と“巣ごもり”をせざるを得ない状況だ。一刻も早く,事態が収束して日常が戻ってきてくれればと心から思う。

 さて,こんな状況だからこそ,少しでもポジティブな思考を持ちたいところ。ゲーマー視点で見ると「普段できないゲームをやる」といった考えが出てくるのはある意味,自然な発想ではないだろうか。家に長時間いるからこそ活用できるハードや,今のような状況に向いているゲームもあるはずだ。

 そこで今回筆者がオススメしたいのは,Steamで遊べる「アイドルゲーム」だ。なんだかミスマッチな組み合わせに見えるかもしれないが,ここでいうアイドルはIdolではなく「Idle」――つまり「放置系」とか「クリッカー系」と呼ばれるジャンルのこと。あまり詳しくない人でも,かつてネットでブームが起こった「クッキークリッカー」をプレイしたことがある,もしくは「クッキーババア」というキャラの名前や姿は記憶に残っている……という人は,意外といるのではないだろうか。

アクションRPGに見えるかもしれないが,これも放置ゲームだ
画像集#002のサムネイル/外に出られない今こそ「アイドル(放置)ゲーム」を楽しもう! Steamで手軽に始められる6作品を紹介

 この手の放置系ゲームには,巣ごもりに向いた2つの特徴がある。それは「ながらプレイが基本」なのと「やり込むのに時間がかかる」という点だ。前者はPCなら画面端で常に起動しておいてもいいし,それこそゲームを閉じていてもお金や経験値は勝手に増えて,再開後に入手できる。
後者はそのまま,時間があるときに向いているということになる。
 また作品にもよるが,これらの放置ゲームはシンプルなものが多いので,PCに高いグラフィックス性能を求められることも少ない。さらに無料で始められるものも多いので,新たに出費をする必要がないというのも嬉しいところだ。

かつてブームが起こった「クッキークリッカー」は現在も健在で,アクセスすれば普通にプレイすることができる。とはいえブラウザゲームなので,今回紹介する作品には含めていない
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「放置系ゲーム」(Idle Game)とはどういった作品なのか?


 作品紹介に入る前に,まずはざっと「放置系ゲームの基礎情報」をまとめておこう。作品によって特徴はいろいろあるのだが,“ジャンルの基本ルール”はそこまで大きく変わることはない。

 放置系の作品は基本的に,吹けば飛んでしまいそうな弱い主人公が,何も持たない状態でスタートすることになる。場合によっては,主人公に当たるキャラクターが明確にされない作品もあるので,序盤にできることと言ったら「画面を眺める」「敵やオブジェクトをクリックする」だけで,その後もほぼ半自動〜全自動でゲームが進んでいく。
 最初はマウスのクリックが必須作業であったり,あるいはそれで効率が大幅に上がったりすることが多いので,「クリッカー」と呼ばれるわけだ。

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 クリックによって敵を倒す,あるいはオブジェクトに何らかの影響を与えるとお金や経験値といった報酬が手に入り,これを任意のタイミングで消費することで,主人公やそのほかのキャラクターを強化していく。強化の方法はレベルアップだったり,アイテムの購入だったり,設備の設置だったりするのだが,いずれにせよ,そうやって報酬がどんどん増えて,強敵を倒せるようになり,その報酬で更なるパワーアップを……というのが基本の流れだ。

RPG系の作品では,多くが「クリック=攻撃」として割り当てられている。序盤だったり,あるいは十分に(クリック系の攻撃を)強化していれば敵に効果的なダメージが与えられるが,ステージが進むと文字通り“焼け石に水”になることも珍しくない
画像集#004のサムネイル/外に出られない今こそ「アイドル(放置)ゲーム」を楽しもう! Steamで手軽に始められる6作品を紹介

 敵の強さやアンロックに必要な報酬額は,次のステージに進んだりパワーアップを行うたびに飛躍的に高まり,どんどん天文学的な数値になっていく。だが,それに負けないほどプレイヤーの能力も上がっていき,ダメージ値もM(メガ)やG(ギガ)をあっという間に超えてインフレ状態になる。そういった数値の変動を楽しむのが放置系作品の醍醐味の1つなのだ。
 RPGタイプの作品では,区切りが付くごとにボスのような文字通り桁違いの強敵が登場するが,それがアップグレードであっさり倒せるようになるのは,何度体験しても結構な爽快感がある。

 また,現在の放置系の作品で忘れてはいけないのが「転生」というルールだ。これは文字通り“キャラクターが生まれ変わって一から”ということで,基本的にはレベルやアイテムがリセットされ,最初からやり直すことになる。
 ただ,転生ですべてがゼロに戻るわけではなく,一部の要素(経験値やお金が取得できる倍率など)を持ち越すことができる。RPGの“強くてニューゲーム”ほどわかりやすくはないが,たいていは前半の進行が大幅に早く終わるぐらいのブーストが得られるのだ。

 どの作品でも,大概はゲーム中のどこかで「壁」が発生する。普通に進めているだけではとても倒せない強敵や,アンロックに膨大な時間がかかるアイテムなどが出てきて,そのままでは長時間放置しないと
進めなくなってしまうので,どこかのタイミングで転生を考えることになるはずだ。

転生は多くの放置系作品で重要な役割を果たす。スクリーンショットは下で紹介する「Grim Clicker」の転生(RITUAL)画面
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 簡単にまとめるとクリックで序盤をしのぎ,ある程度進めると自動のほうが効率が上がるので,そうなったらクリックをやめて装備の強化など別の作業に集中する。それでもどこかの段階で「壁」にぶち当たるので,転生して効率を上げて再トライ……というのが放置ゲームにおけるセオリーとなるだろう。もちろん作品ごとに事情が異なるので,必ずしもこの通りに進むわけではないが,このセオリーを覚えておけばこれから紹介する作品はスムーズに遊べるだろう。

 というわけで本稿では,筆者がプレイした放置系のゲームの中からいくつかをチョイスして紹介したい。選択基準は「Steamでダウンロードして,サクッと始められる」というもので,どれか1作でもお気に入りが見つかれば幸いだ。


スタンダードな“RPG型”放置ゲーム「Firestone Idle RPG」


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 「Firestone Idle RPG」は,放置ゲームでは定番と言ってもいい「放置×RPG」タイプの作品だ。「アランドリア」(Alandria)という世界で冒険者のパーティを組み,敵を倒してメンバーを強化しながら先のステージに進んでいく……という,まさに王道なスタイルになっている。グラフィックスは良くも悪くも洋ゲー的……というか一昔前のバタ臭さを感じるが,アニメーションはグリグリ動くので見応えはあるし,システム面はほとんど日本語化されていて取っつきやすいのも嬉しいところ。
 一部は翻訳の単語が怪しく,またストーリーや会話は英語のままなのが少し寂しいが,その辺りが気にならないなら問題はないだろう。

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 ゲームとしては,画面左にいる妖精のような「ガーディアン」が主人公的な扱いで,最初はクリックで敵を倒し,お金でパーティ枠と冒険者をアンロックしながら先へ進んでいく。冒険者たちは勝手に動いてくれるが,リーダーに設定したキャラはスキルを任意のタイミングで発動できるので,気に入ったキャラを設定しておきたい。
 どこまで先に進めるかはほとんど冒険者のレベル(強さ)で決まるが,クリックによるガーディアンの攻撃と,適切なタイミングのスキル発動によって,多少の不利ならカバーできるといった感じだ。10段階のWaveの最後にはボスが待ち構えており,これを倒せば一区切りになる。

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 本作の特筆すべき点は,“アップグレード方法の選択肢の広さ”だ。お金を消費してレベルやステータスを上げたり,転生して報酬の取得倍率を上げたりというスタンダードな手法から,「町の図書館でリサーチ(研究)する」「地図からミッションに参加してアイテムを入手する」「“才能”というツリー状のスキル盤をアンロックする」など,同時並行で行える強化方法がかなり充実している。
 とはいえ,これらは簡単にアンロックしていくことはできず,有料アイテムや希少なアイテムを消費して時短しないのなら,結構なリアルな時間が必要とされる。つまり“やり込み要素”というわけだ。

本作では一番表示する機会の多いアップグレード用の窓が右に表示されるので,敵が見にくくなるのが玉にキズ。とはいえオートバトルなので見る意味はあまりなく,むしろ強化用のお金がいくら入ってくるかが重要だったりする
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 放置ゲームとしてはもの凄く尖ったところがある印象ではないのだが,「定番スタイルかつ日本語UIでプレイできる」という初心者へのハードルの低さから,最初にチョイスさせてもらった。どのゲームにするか迷ったら,本作から始めてみるのは悪くないと思う。



陣形システムが印象的な「Idle Champions of the Forgotten Realms」


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 ダンジョンズ&ドラゴンズの世界観をベースとする「Idle Champions of the Forgotten Realms」は,Firestoneと同くRPGライクな放置ゲームだ。画面右から現れる敵を倒していくという点は同じだが,ステージを進める条件は指定された敵の討伐やドロップアイテムの収集など,よりRPGらしいクエストベースになっている。また,常に画面が横にスクロールしているので,Firestoneと比べると冒険している感が強い。

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 仲間を増やしてパーティを組むというポイントも同じだが,本作には「陣形システム」が採用されており,仲間の配置によって全体の攻撃力が大きく変化する。戦士を先頭に据えた三角形の陣形など,いかにも“それっぽい”形を試すだけで飛躍的に数値が上がるだけでなく,既存メンバーの場所を入れ替えるだけでもステータスは大きく変わる。さらに仲間が増えるたびに調整できる範囲が広まるので,試行錯誤しているだけでも結構楽しい。

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ゲーム中は常に陣形を調整することができるし,ワンクリックで準備が整ったスキルも使用できる。敵が強く感じたらまずは陣形を見直してみよう
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 日本語化はされていないので若干取っつきは悪いものの,レベルアップでスキルを取得したり,任意のタイミングでそれを発動したりするのは,画面上のアイコンを押すだけなので,難しいところはないはずだ。さらに一定のレベルになると,キャラごとに択一式のアップグレードを迫られたりと,よりシンプルに「RPGらしいパーティ全体の強化」が重要になるのが印象的なところでもある。
 「キャラの位置を変えただけで攻撃力が数倍〜数十倍になる」なんてことがざらにあるので,放置に徹するのではなく,むしろゲーム中にいろいろ試してみたいタイプの人の方が楽しめるかもしれない。



スキルで敵をなぎ倒し,少しでも早く先へ進もう。アクティブにプレイしたい人にお勧めの「Grim Clicker」


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 「Grim Clicker」も放置系としては定番の,右に進んで敵を倒していくタイプの作品だ。とはいえ,先に紹介した2作品とは毛色が違い,横スクロールアクションのように真横からの視点で,なおかつスキルが進行に与える影響が大きい“忙しめ”の作風となっている。

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 ゲームが始まると主人公はひたすら右に進み,敵にぶつかると自動で戦闘を始める。戦闘と言ってもプレイヤーにHPという概念はなく,「止まって敵の体力を削りきるまで武器を振る」というだけである。敵と対峙しているときは動けないので,敵を早く倒せれば,それだけ早く先に進むことができる。そしてメインとなる通常の近接戦闘の場合,一度に戦える敵は1体のみなので,どちらかというと敵は障害物のような位置づけだ。

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 クリックするとより早く武器を振ることができるが,画面左下のエネルギーを早く消費してしまうため,ほかの作品のように「連打するほど有利になる」といった場面は少ない。むしろ「どうエネルギーを管理するか」の方が重要で,それに加えてマナを消費する特殊スキルをどう活用するかで,先への進みやすさが変わってくるのだ。

 能力アップはレベルアップで入手できるスキルポイントの振り分けと,お金で強化できるアイテムによって行う。ステータスは「STRENGTH」「DEXTERITY」「WISDOM」に分かれており,それぞれ強化すると近接攻撃力,エネルギーの最大値とクリティカル率,マナの回復量にボーナスを得られ,さらにステータスを強化した段階までのスキルアンロックが可能になる。

 筆者がプレイした範疇では,とにかくSTRENGTHを強化するのがいいように感じた。前述のようにHPの概念がないので,「攻撃力=先に素早く進める能力」と言い換えてもいいし,STRENGTHの1段階目にあるスキル「RAGE OF DARKNESS」(エネルギーが切れるまで自動クリック)と「BLOODTHIRSTINESS」(敵を倒す&ときどき現れるコウモリを倒すとエネルギー回復)を組み合わせると,「エネルギー切れを起こさず,高速で先に進みながら敵を殲滅する」といったことが可能になるからだ。

アイテムは画面下のスロットに入れておくと,ゲーム中に強化が可能になりより強い敵が倒せるという仕組み。またスキルポイントを入手するためには主人公のレベルを上げる必要もあり,先へ進むには両方をバランス良くアップグレードしていかないと厳しい
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 一見良くあるタイプのRPG系放置ゲームだが,実際のプレイ感は「放置ゲームの仕組みを使った障害物競走」といったものに近い印象だ。敵との対決も「一見対戦に見えるが,実際は一方的に叩いているだけ」というのが,本作のキモのように思う。



シンプルすぎる見た目には,放置系の楽しさが詰まっている「NGU IDLE」


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 スクリーンショットだけ見ると地味に感じるであろう「NGU IDLE」だが,本作も“RPG仕立ての放置ゲーム”の一作だ。見た目の雰囲気から一種のジョークゲーム的なものを想像するかもしれないが,実は王道を行く放置作品となっている。

 ゲームを開始するとすぐにHPが上昇(回復)し始め,それと同時に自動的にエネルギーが溜まっていく。エネルギーはそのまま溜めておいても意味はないので,「Basic Training」で「Attack」と「Defense」に割り当てると,そのままAttackとDefenseの数値が上昇していきステータスがアップする。文字通りこれが攻撃力と防御力になるので,ある程度成長したら「Fight Boss」のタブにアクセスして敵を倒していく……というのが基本的な流れだ。画面上のゲージはこういったステータスの数値を表しており,端的に言うと「RPGのステータス画面」がそのままゲームになったような感じである。

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 バトルシステムも非常にシンプルで,敵のDefenseよりこちらのAttackの数値が高ければダメージが与えられ,同様にこちらのDefenseが敵のAttackより高い状態なら一切HPは減らない。両方のHPが減る状態のバトルなら先にHPが尽きた方が負けになるという,これ以上ないほど分かりやすい仕組みだ。敵味方のステータスも最初から完全オープンなので,大概は戦う前から決着が分かる。
 敵を倒すと経験値が入手でき,ほかの作品ではショップに当たる「Spend EXP」で永続的なパワーアップ効果を買うことが可能だ。

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 本作にはもう1つ「Adventure」というタブがあり,こちらはFight Bossに使用するのとは別のパラメーターで冒険を進めていく。やることはひたすら雑魚と戦い続けるだけだが,AdventureはAttackやDefenseをいくら高めても有利にならず,経験値も入手できない。
 代わりに「アイテムをゲットして装備を揃える」というのがAdventureモードで強くなる方法で,装備を強化していくとAdventureだけでなく,Fight Bossモードのステータスにもボーナスが付与される。こちらは転生しても初期化されれないので,Trainingをより効率的に進めるための手段といった感じだが,「ボスと戦うため,雑魚と戦い準備を整える」といったRPGの定番作業を模しているのかもしれない。

AdventureはFight Bossとは使うパラメーターが異なり,「Power」「Toughness」「Max HP」で戦っていく。Fight BossのAttackとDefenseは直接的に上げていくが,こちらは主に装備の強化でアップさせる
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 とにかく「シンプル」としか言いようがない作品だが,「強い敵を倒すため,より強くなっていく」という放置ゲームのキモの部分のみを純粋にゲーム化しており,想像以上に楽しめた。個性的なグラフィックスはもちろんのこと,敵がただの食べ物だったり家具だったりと非常にユニークなのも味があるポイントだろう。



ダークな雰囲気とひたすらマナを集めるストイックさが魅力の「Idle Wizard」


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 「Idle Wizard」は,「マナ」を大量に集めることを目的とする作品だ。作風としては冒頭で触れたクッキークリッカーに近く,ただひたすらにマナを増やしていく,ちょっとクラシカルなシステムと言える。

 ゲームを開始すると画面中央にオーブが表示されるので,まずはこれをとにかくクリック。するとマナが入手できるので,それを使って右側に並んでいる機材や設備を購入する。機材は左側の「Upgrades」を購入することによって,さらに効率を上げることが可能。またキャラクターは主人公の魔術師とペットがおり,両方ともプレイを続けていくとレベルが上がっていく。
 魔術師は一定条件でクラスチェンジが可能で,ペットもアンロック後に好みに応じて交換できる。画面中央部のスロットにはスペルブックが設置可能で,プレイ中にたまる「Spell Shards」を使ってマナの入手効率をアップさせる呪文などを使うことも可能だ。

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 最初はクリックしても一桁程度の非常に少ないマナしか入手できないが,例によって各種のアップグレード重ねていくと入手量が猛烈に増加し,それを元手にさらに上位のアップグレードを入手していく……というアイドルゲームらしい展開になる。
 序盤こそオーブのクリックが必須だが,ある程度進めると自動で入手できるマナの量もどんどん増えていくので,どれだけ効率的に自動化させられるかがキモになるだろう。機材やペットが成長し自動化が進めば,あとは適切なタイミングでスペルを使ったり,たまに発生する電撃のような雲やコウモリをクリックすれば,更なるボーナスが入手できる。

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開始直後はチュートリアルメッセージが表示されるので,分からないうちはチェックしておこう。とはいえ“クリックする”という基本は変わらず,何をクリックするかが変わるだけだったりする
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 全体的にかなり地味なのは間違いないが,「放置+バトル」が主流のアイドルゲーム界隈の中で,「マナをひたすら集めることに特化している」というのは逆にちょっと新鮮に感じてしまう。全体的なグラフィックスや演出はダークなテイストで統一されており,プレイ中の雰囲気もかなり良い。例によって日本語化はされていないのが少し残念だが,セオリーが分かっていればプレイに大きな支障はないだろう。



3Dグラフィックスでキャラが動きまくる放置系ゲーム「Endless World Idle RPG」


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 「Endless World Idle RPG」は,すでにいくつか紹介したRPGライクな放置系ゲームの1つだが,本格的な3Dグラフィックスを採用しているという点で,2Dの作品より大幅にモダンな雰囲気となっているのが特徴だ。基本は放置系ながら,主人公はもちろん仲間のスキルも好きなタイミングで発動できたり,装備の合成要素があったりと,最初は普通にプレイしていても結構忙しい。ぱっと見は放置系のゲームには見えず,普通のRPGをプレイしているように感じるだろう。
 またシナリオや会話以外のかなりの部分が日本語化されているので,取っつきやすさは上々だ。

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 本作は主人公と最大4人の仲間でパーティを組み,敵を倒しながら先へ先へと進んでいく。稼ぐのは主にお金で,これで攻撃や防御といった「属性」を強化し,さらに道中で入手できる装備を強力なものに変えていくことでより強くなれる。仲間の傭兵は物語を進めることで自動的に仲間になるほか,ガチャを引いて入手することも可能で,入手さえできれば好きなキャラを連れていける。

 主人公は装備する武器を変更可能で,剣を装備すれば近距離戦,弓を装備すれば離れて戦うなど戦法が変化し,さらに使えるスキルも切り替わる。仲間の傭兵にも職業が設定されているため,こだわってバランスの良いパーティを組むことを目指すのも面白い。

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 クリック要素は,敵をクリックしてダメージを与えるというタイプではなく,地形を調べてお金などの報酬をゲットするというもの。なので,クリック単体で敵を殲滅する力はなく,戦闘用のアップグレード要素もない。実際に地面をクリックしてみると,ブロック状の地形が飛び跳ねて結構面白いが,もちろん前述の自動戦闘でも報酬は手に入る。なので一般的な放置ゲームのクリック作業のように,積極的にやるかどうかはおまかせとなっている。

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 最大5人のパーティが派手に戦う姿は見応えがあり,前述のように任意で複数のスキルを発動したり,主人公を変身させて一時的に強化したりとプレイヤーが介入できる部分も多い。また,プレイを続けているとこれらは自動化が可能になるので,アイテムや傭兵といったリソースの管理に集中することもできる。
 放置ゲームだがログインボーナスが色々と充実していたり,進めているとたまにほかのプレイヤーと鉢合わせして戦うこと(PvP)になったりと,各所にネットゲームを彷彿させるような仕組みが用意されているのも特徴の一つだろう。演出面(のリッチさ)では前述のNGU IDLEと対極にあるような作品なのに,プレイしてみると装備やインベントリ周りなど,結構共通点もあったりするのが面白い。

 同じRPGをモチーフにした放置ゲームでも作り方次第でこれだけ変わる,ということを実感できた一作だった。



さあ,今こそ「ながら」で放置ゲームを始めてみよう


 以上,6種類の放置ゲームを紹介してみたが,やはり昨今は「RPG仕立て」の作品が多いという印象だ。これは,「次々に現れる強い敵を倒すためには,より大量に報酬を集める必要がある」という流れがあったほうが,目的意識を持ちやすいというのが大きいだろう。

 実際にそれらの放置系は,「RPGの戦闘とレベル上げ部分のみをゲームとして独立させた」といった雰囲気のものも多く,ゲーマーが馴染みやすいのは確かだ。また一作プレイしてみれば傾向を掴みやすいので,ほかの作品に乗り換えてみたり,あるいは同時並行で進めてみたりなんてことも難しくない。
 今回紹介した作品以外にも,Steamには多くのアイドルゲームがあるので,興味があるならSteamのタグにある「クリッカー」などを探してみるといいだろう。ただし日本語化されていない作品も多いので,気になる場合にはプレイ前にチェックしておこう。

放置ゲームは敵にやられても何のデメリットも発生しないが,ボス戦だけは一種の壁のような扱いなので,時間内に倒せないと一つ前のステージに戻されることが多い。何度挑んでもダメな場合は,文字通り放置してレベルが上がるのを待つか,転生してより強くなって戻ってくるしかない
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 今回挙げたゲームはどれも楽しめたのだが,あえて一本を選ぶとすれば,そのギャップから「NGU IDLE」を選びたい。プレイ前に見たスクリーンショットは,まるで大昔のPCゲームのような雰囲気なうえに,無味乾燥としたゲージやバーが並ぶばかりでどんな作品かまったく想像が付かなかったのだが,良い意味で裏切られた。理解できれば難しいところは何もないし,何より「ここまで演出やグラフィックスを省いても十分にゲームとして成立し,かつ面白い」というのは,正直驚きだった。

 記事の冒頭でも触れたように,まだまだ外に出られない期間は続きそうだが,こういった新しいゲームとの出会いで,少しでもストレスを軽減できれば幸いに思う。
  • 関連タイトル:

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