男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第242回「今年の東京ゲイムショウでは何が起きるのか」

著者近影

　ちょっと前のことなんだけどね。「逆転裁判5」をクリアしたの。このゲイムが言いたいのは，つまるところ「信じるために疑う」ということだったんだな，と思ったわ。これってプロレスで言うところの，「相手を認めているからこそ，全力で攻撃する」に似た構造なのかもしれないわね。
　世の中の深い話って，大体はこういう感じでできている気がするわ。「愛しているからこそ叱る」や，「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」もそう。一見，真逆の行為に見えるかもしれないけど，それを乗り越えたときには，強固な信頼関係が出来上がっているっていう，そういう感じね。
　それにしても，こうやって何かが伝わってくるものがあるゲイムっていいわよね。どういう話か気になる方はぜひとも逆転裁判5をプレイしてみるが吉。

　でね。先週も書いたとおり，ゲイムを含むエンターテイメントって基本的には“無駄”なものだと思うんだけど，そんな“無駄”なものから何かを学んだりもできるのって，とても素敵なことだなぁと思うのですよ。無駄なのに学べる。だからゲイムはいい。少なくとも私はそう思うの。
　私は私でプロレスを頑張ってはいるんだけど，そういう意味ではゲイムに勝てないとも思っているわ。だって，ゲイムって一つの作品を数万〜数十万，ビッグタイトルになれば数百万という単位の人が楽しむわけじゃない。
　私は今週末の8月17日（土），18日（日）に両国国技館でプロレスの試合をするんだけど，見に来る人は2日間合わせてせいぜい1万5千人程度。もちろん，中継やら動画やらDVDやらの二次的な効果で，最終的にはもう少し多くの人に見てもらえるんだろうけど，それでもせいぜい数万人よ。楽しんでいる人の数の桁が違う。
　私の持論なんだけど，エンターテイメントって数がすべての部分があると思うの。これは，内容の良し悪しとは関係のない部分ね。プロレスにはプロレスのいい点はあるし，ゲイムにはゲイムのいい点がある。本には本のいい点がある。漫画もそう，映画もそう，TVもラジオもそう。いい点もあれば，悪い点もある。でもね，たとえどんなに面白い作品を作っても，多くの人の目に触れなかったら，意味はないの。
　受け取った人に何かを感じてもらうことに関しては，私も作り手として自信があるわ。そしてきっと，それはどのジャンルの作り手も一緒でしょう。だけど，内容の良し悪しとは別に「その作品でどれだけ多くの人が楽しめたか」が重要であると私は思っているわけ。
　それもまあ，志の持ち方によって人それぞれの部分はあるんだけどね。ほら，誰に認められなくても美味いラーメンを作ってやる！　っていう人もいるかもしれないけど，たくさんの人に自分のラーメンで幸せになってもらいたい！　という価値観だって，間違ってはいないじゃない？　そういうこと。
　それと，いろんなジャンルにおいて「売れると面白くなくなる」という話をよく聞くけども，それは逆に言うと「より多くの人に向けて，その娯楽を提供することに成功している」と言い換えることができるわけね。
　だから，私はゲイムに嫉妬しているのよ。現時点では私よりも多くの人に感動を与えられてるわけだから。その一方で，面白い作品はちゃんと売れて，多くの人に感動してほしいと思うの。せっかく面白いのにもったいないじゃん。それを言い出したら，プロレスもそうなんだけどね。


　……これで半分くらいかな。えーと，逆転裁判5が終わったので，次は「ファンタジーライフ LINK!」をプレイしようと思ってるのね，まだ手をつけていないんだけど，前作と今作で何が違うのかを想像で補いつつ書いていこうと思うわけですが，そもそも人間とは想像力の生き物でしてね，人間がほかの動物と違うのは……あーもういい！　白状する。
　実は！　冒頭で逆転裁判5のことをちらりと書いてはみたんだけども！　今週は新しいゲイムに向き合うことができていないのです。

　というわけで，ここからは約1か月後に迫った東京ゲイムショウのことを考えてみようかな，と。苦し紛れにな。
　まず注目は，なんといってもPlayStation 4でしょうな。実際に触れるのか？　触れるとしたら，どのようなタイトルが出展されるのか？
　PlayStation 4はPlayStation 3との互換性がないわけで，そうなるとPlayStation 4の購買欲を刺激するには，買うことによるメリットをハッキリと提示しなければならないわけじゃないですか。そこをゲイムショウでどれだけ表現できるのか。
　実際，私は今回のPlayStation 4を発売日に買うかどうかで悩んでいる最中でしてね。互換性があるならば，とりあえずは買っておこうかな？　と思ったんでしょうけど，そうじゃない以上，ちょっと様子を見ている自分がいるのね。まさに「信じるために疑う」といった気分。
　私としては，信じたいわよ。なんだかんだでPlayStationシリーズのハードは私を裏切っていないから。でも，だからこそ，今回も買っていいものかどうか疑ってみるの。そんな私をゲイムショウで説得してほしい。

　そして，忘れちゃいけないXbox One！　アメリカなんかでは，いろんなサービスに対応するといった発表がされているけれども，日本ではどうなるのか。そして，日本ではどんなゲイムを遊ばせてくれるのか。
　まだ分からないことが多いだけに，ゲイムショウのタイミングでどこまで情報を出してくるのか，非常に気になるところね。こちらもXbox 360との互換性がないということなので，Xbox Oneならではの新しい何かをガツンと見せてほしいのよ。

　PlayStation 4にしろXbox Oneにしろ，いずれ買うってことは，自分の中で決まっているんだけどね。発売日に買うかどうか。買っていいものかどうか。さあ，私を説得してごらんなさい？　と。そんな気分で日々を過ごしているわけでございます。

　それから，ゲイムショウの私的楽しみと言えば，クレイジー出展がどれぐらいあるのか。各パブリッシャさんは毎年，練りに練った企画をぶち込んでいるわけですが，もう名指しで言っちゃうと，今年は何をヤらかしてくれるんですかアルケミストさん！　という。
　私は2010年から4GamerのUst中継に出演させてもらってるんだけどね。あれは2011年のことだったと思うんだけど，「この世界にはぶるにゃんマンとすくにゃんマンがいましてね」と説明されたときに頭の中に浮かんだ大きなクエスチョンマークが，いまだに消えないの。
　世界が変わりつつあるのか，私が不勉強なだけなのか真偽は分かんないけども。いずれにせよ，アルケミストさんが今年，何をやらかすのかを楽しみにしているわ。

　……あれ？

　今，気付いたんだけれども，私……今年はまだ何も……言われてないよ？　まさか……4Gamerは……今年は何もしない？　いや，そんなわけはない！　なんたって4Gamerは日本最大級のゲイム総合情報サイト。何もしないなんてことはあるまい。
　ならば……まさか……私が……ク，クビ？　ヒィー!!　真夏だよ！　お盆だよ！　怪談だよ！　お盆は死者がこの世にアレする日だってよく言われてるけども！　夏は怖い話がよくあるけれども！　ろくろ首とか生首とか，そういうのよりもむしろ怖いのは，ただのクビだよ！　怖いよ怖いよ何もないよ！　日曜日はたぶん試合だけれども，木金土は空いてるよ！　ただ目的もなく幕張まで行くのは寂しいよ怖いよ！　暇だよ！
　……チラッ。ゲイム大好きだよ……チラッチラッ。今週は〆切ちゃんと守ったよ！　……チラッ。ゲイムショウ楽しみだなあ！　……チラチラッ。来週も迷惑かけないようにちゃんと〆切守るぞー!!　……チラッ。うん，大丈夫！　私，信じてる！　私が今，千尋の谷に落とされてるのは，私を愛してるからだって！　チラッ。また来週！　もしくはまた会う日まで！

今週のハマりゲイム
（文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム）
PlayStation 3：「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション」
PlayStation Vita：「ドラゴンズクラウン」
PSP：「サモンナイト5」
Wii U：「ZombiU（ゾンビ U）」
Wii：「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS：「逆転裁判5」
Xbox 360：「Minecraft：Xbox 360 Edition」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，8月17日（土），18日（日）に両国国技館大会を開催します。ディーノ選手は17日のメインイベントで，飯伏幸太選手とのシングルマッチが予定されているのですが，「ぶっつぶすつもりはあるんだけど，気持ち的に試合に向き合え切れてないのね。もっとテンションを上げないといけないんだけど，上がらないの。老若男女問わずちやほやしてくれたら，きっとテンションが上がると思うんだけど……」とのこと。ディーノ選手のTwitterアカウントに「ちやほや」と送ってみてください。