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ハロー!Steam広場 第255回:全ピクセルを物理シミュレートした結果,死にゲーと化したローグライクアクション「Noita」
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印刷2019/10/04 12:00

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ハロー!Steam広場 第255回:全ピクセルを物理シミュレートした結果,死にゲーと化したローグライクアクション「Noita」

画像集 No.001のサムネイル画像 / ハロー!Steam広場 第255回:全ピクセルを物理シミュレートした結果,死にゲーと化したローグライクアクション「Noita」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,「CODE VEIN」をプレイしていると,中学のころに負った古傷が疼きだす上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 ハロー!Steam広場 第255回は,ローグライクアクション「Noita」を紹介しよう。ピクセルアートで世界を描く本作は,その1つ1つのピクセルに対して物理演算によるシミュレートが行われる。そこに非現実的な魔法の要素が作用することで,本当に予測不能な事態がプレイヤーに襲いかかるわけだ。

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画像集 No.004のサムネイル画像 / ハロー!Steam広場 第255回:全ピクセルを物理シミュレートした結果,死にゲーと化したローグライクアクション「Noita」

あらゆるものが物理シミュレートされたダンジョンを探索するローグライクアクション「Noita」


 「世界のすべてのピクセルがシミュレートされています」というストアの紹介文を見て,「なるほど,そりゃぁすごい(分かってない)」と思い購入を決めた筆者。実際にプレイしてみると,インディーズゲームらしい斬新なプレイ体験に,ちょっとした感動を覚えたので,今回はそんな本作「Noita」を紹介しよう。開発したのは,フィンランドのインディーズ系デベロッパ,Nolla Gamesである。

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 本作のジャンルは,横スクロール型のローグライクアクションだ。プレイヤーの目的は,自動生成されたダンジョンのどこかにあるワープポータルを見つけること。その道すがら,モンスターと戦ったり,新しい杖を手に入れたりしていく。
 ワープポータルは次のステージへとつながっており,最下層にいるボスを倒すとクリアになる。もちろん,死亡したら最初からやり直しだ。

杖にはいくつかの魔法が付与されている。ステージ移動の合間にある拠点で魔法を付け替えて,オリジナルの杖を作ることも可能だ
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 パッと見でも分かる通り,本作では背景からキャラクターに至るまで,そのすべてがピクセルアートで描かれている。冒頭の言葉を当てはめると,ダンジョンやキャラクターを構成するピクセル1つ1つが,何らかの要因によって変化するわけだ。
 一番分かりやすいのは破壊である。例えば地面に爆発魔法を放てば,そこがごっそりと削れる。そこに燃料入りのドラム缶があれば,当然周りに炎が飛び散り,その1ピクセルでも木製の床に触れようものなら,そこから火災が発生するといった感じだ。

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 同じく「水」「酸」「血」「オイル」といった流体もすべてピクセルで表現され,上から下へ流れるという水理学に基づいた動きも適用される。
 また流体の性質もちゃんとシミュレートされており,敵の吐いた酸が地面に当たれば,そこがじわじわと溶けていくし,オイルの上を歩けばヌルヌルと滑る。当然,そこに火の粉が触れれば一気に燃え上がるし,水を流し込めば消火も可能だ。

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 このように本作では,あらゆるものが現実と同じように作用するため,何をしても大体の結果は予測できる――と思いきや,そこに非現実的な“魔法”の要素が加わるため,想像の斜め上を行くこともしばしば。その光景にニヤリとすることもあれば,絶望することもある。
 周りのピクセルを火薬に変える魔法を使ったら,天井が崩れて水が流れ込み,そのまま窒息死。爆弾の魔法を発動すれば,敵だけでなく宝箱が吹き飛んで消え去る。子猫のような好奇心を持って挑むと,たいていロクな結果にならない。

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 結局のところ,ダンジョン内で何が起こるのかは分からないのだ。敵の攻撃を避けたら,それがランタンに当たって大炎上したり,敵が投げたダイナマイトで天井に穴が開き,そこから酸が流れ込んできたりと,プレイヤーだけでなくモンスターの行動で予期せぬ事態が生じることも多く,本作は“死にゲー”と呼んでも差し支えない難度になっている。

 ただ,ほかの死にゲーと違うのは,開発者が意図的に難しくしているわけではないというところだ。現に本作には罠がほとんど存在せず,酸の床や燃え盛る天井など,事実上の罠はいずれも,物理シミュレートの結果による副産物である。
 もっと言ってしまえば,本作における死因のほとんどは,おそらくプレイヤーの「やっちゃえ!」がもたらした結果であり,死ぬとわかっていても,ちょっと自制できないほどのワクワク感あふれる死にゲーというのも面白い。

画像集 No.009のサムネイル画像 / ハロー!Steam広場 第255回:全ピクセルを物理シミュレートした結果,死にゲーと化したローグライクアクション「Noita」

 ここまで,あまりアクション性について触れてこなかったが,もちろんベースとなるゲームシステムがしっかりしているからこそ,こういった尖った部分が楽しめる。肝心なところが疎かになっているわけではないので,そこはご安心を。
 なおアーリーアクセスは,2020年9月ごろまで実施される予定となっている。現状でもほぼ完成に近い状態に仕上がっているとのことなので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。



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