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PlayStation 4で生まれ変わった「ワンダと巨像」プレイレポート。多くのファンが待ちわびた名作の理想形が,この2018年に完成
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印刷2018/02/08 00:00

プレイレポート

PlayStation 4で生まれ変わった「ワンダと巨像」プレイレポート。多くのファンが待ちわびた名作の理想形が,この2018年に完成

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアは本日(2018年2月8日),PlayStation 4専用タイトル「ワンダと巨像」を発売した。

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「ワンダと巨像」公式サイト


 2005年にPlayStation 2向けに発売された同作をフルリメイクし,より高精細なグラフィックスで楽しめるようになった本作。PlayStation 4 Proを使えば,4K HDRの映像出力,あるいはフレームレートを60fpsに設定してのプレイも可能となっている。先日はプレイムービーで本作を紹介したが,今回はあらためてプレイレポートをお届けしよう。なお本稿では,PlayStation 4 ProをフルHDの映像環境で使用し,後述する「フレームレート優先」モードでゲームプレイや画像の撮影を行っている。

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 前述のとおり,「ワンダと巨像」のオリジナル版が発売されたのは,今から約13年前の2005年10月である。ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)第1制作部に在籍していたゲームデザイナーの上田文人氏が手掛けたアクションアドベンチャーで,同氏の2001年の作品「ICO」と世界観につながりがあるように見える,いわば続編的な位置付けのタイトルとしても注目されていた。

 ここで描かれている物語は,禁断の「古えの地」へとやってきた主人公のワンダが,失われた少女の魂を取り戻すために,天から注ぐ「ドルミン」の声に導かれ,16体の巨像を倒していくというもの。
 「ICO」と同様,ゲーム画面には必要最低限の情報しか表示されず,ゆっくりと動く独特のカメラワークとともに世界の情景や空気感を強調している。これは上田氏の最新作「人喰いの大鷲トリコ」にも受け継がれている設計だ。

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 日本では日本ゲーム大賞2006 年間作品部門 優秀賞,CEDEC AWARDS 2009 プログラミング・開発環境部門賞を受賞したほか,海外でも9th Annual Interactive Achievement Awards Outstanding Achievement in Art Direction(最優秀アートディレクション賞)ほか1部門,6th Game Developers Choice Awards BEST GAME(Game of the Year)ほか4部門で受賞するなど,世界中に多くのファンが存在し,高く評価されている作品でもある。

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 舞台となる古えの地は,岩山や森林,渓谷などが存在する広大なオープンワールドとして構築されている。水や緑が豊富な場所もあるが,そこに見られるのはトカゲや鳥,魚などの小動物の姿だけだ。各地には遺跡が点在していて,何か文明のようなものが存在した気配はあるものの,人の姿はなく,もの悲しい空気に包まれている。

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 そんな世界を象徴する存在が,ゲームのタイトルにもある16体の巨像である。その名が表すとおり全身に石造りの装飾が見られる石像なのだが,ワンダがその場所に行くと姿を現し,特定の範囲を移動しながら,ワンダに対して明確な敵意を持って攻撃してくるという,生物のような動きも見せる。
 小さなものでも数メートル,中には数百メートルもあろうかと思われる大きなものもいて,形や攻撃手段も非常に個性的だ。

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 巨像にはその体のどこかに必ず急所があり,剣で突くことで大きなダメージを与えられる。巨像の攻撃をかわしながら急所までどうやってたどり着くかを考えることが,本作の最大の醍醐味だ。
 その手順はパズルのようでもあり,巨像の部位や体毛をつかんでよじ登ったり,周囲のにあるオブジェクトから飛びついたり,あるいは手持ちの弓で特定の部位を撃って体勢を崩したりと,あらゆる手段を試すことが,巨像の攻略へとつながる。
 当然,後に出てくる巨像ほど攻略方法が難解になっていくが,それだけに攻略法を見つけたときの嬉しさはより格別なものとなる。

巨像には目らしきものがあり,ワンダを見つけて怒り状態になると色が青から黄色に変わる
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剣をかざして光が集まる場所に,巨像の弱点がある。弱点はダメージを与えると移動することもある
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大きな巨像の体はまるで迷路のようで,弱点までたどり着くルートを探すのも攻略のポイントとなる
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小さな巨像は非常に素早く,なめてかかると痛い目にあうだろう
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 今回発売されたPlayStation 4版は,2011年に発売されたPlaySatation 3版に続く2度目の移植となるが,PlayStation 3版がPlayStation 2版の雰囲気を残したまま映像だけをHD化した“リマスター”だったのに対し,“フルリメイク”をうたっている。
 ワンダやアグロ,巨像はもちろんのこと,背景のオブジェクトもすべて作り直されていて,「人喰いの大鷲トリコ」などと比較しても遜色のないクオリティを誇っている。
 とくに巨像に生えている体毛の表現は必見で,もふもふフサフサとした感触が画面を通して伝われてくるように感じられた。

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 さらに特筆すべきはPlayStation 4 Proへの対応で,4K HDR対応ディスプレイへの映像出力(3840×2160ピクセル)が可能なほか,オプション設定で「フレームレート優先」を選択すれば,60fpsの滑らかな動きでゲームプレイを楽しめるようになる。この場合,解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)となるが,現在PlayStation 4 Proを持っていても4K映像を映す環境はないという人にとって,非常に嬉しい機能である。


古えの地は遠方まで見わたせ,背景テクスチャーの表示遅れなどはない
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ワンダを強化する白い尾のトカゲや果実なども見つけやすくなった
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 そしてもう一つ,このPlayStation 4版で追加されたのが「フォトモード」だ。これはゲームのスクリーンショット(以下,SS)撮影をサポートするもので,設定をONにしておくことで,方向キーの下を押すといつでも映像をストップできるようになる。さらにストップをかけた状態でのカメラの移動やフィルターの選択,被写界深度の変更など,細かく設定を変更することで,フォトリアルなSSを撮影することができるのだ。
 元々,画面作りにこだわったカメラワークが採用されているため,単純に静止させるだけでもかなりいいSSを撮れるのだが,アングルを調整すると,あたかも宣材写真のような絵作りすらできてしまう。
 本稿で使用している画像のいくつかも,このフォトモードを使って撮影している。この作品のファンならば,自分なりの思い入れを込めたSSを撮影できるのが楽しくなってしまい,ゲームの進行を忘れて没頭してしまうことすらあるだろう。

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方向キー下を押すとゲームが静止し,フォトモードが起動。この段階でカメラも動かせる
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カメラの位置や各種効果を設定すると,同じシーンでもこのような迫力のスクリーンショットを撮影できる
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近くにアグロがいる場合は,アグロを主体とした注視点にも変更できる
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ほとんどのムービーシーンでも起動できるが,このときはカメラの移動などは行えない

フォトモードを使って第3の巨像との戦いを撮影してみた。大きな巨像はやはり見栄えがする
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 ゲーム本編はオリジナルのPlayStation 2版と同じだが,操作系統は,より操作しやすくチューニングされた「モダン」2種類と,オリジナルに近い「クラシック」という2種類が用意されている。こちらは好みに合わせて選択可能だ。

操作はあらかじめ設定された4種類からいつでも変更できる。好みに合わせて選ぼう
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 また,オープンワールドゲームとしてのちょっとしたお楽しみとして,要所にオリジナルには存在しなかった隠れキャラクターのようなものも確認できた。巨像探しの合間のちょっとしたお楽しみとして,探してみてほしい。

オリジナルは握力が上がると画面右下のゲージが肥大していったが,本作では増えた分は左に伸びる形で表示される
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どこかで見たことのあるタルを見つけた。拾えるものが落ちていることもあり,そのときはコントローラーから小さな音がする
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 また,このPlayStation 4版では,本作のサウンドを手掛けた作曲家の大谷 幸氏が,エピローグ(「エピローグ〜残されし者たち〜」)をはじめとする楽曲の一部に手直しを加えているということにも注目だ。当時としてもやり切ったという楽曲を,さらにブラッシュアップさせて,PlayStation 4版に提供しているとのことなので(関連記事),美しくなった映像とともに,サラウンドスピーカーやヘッドホンなどの音響機器をそろえて楽しんでみるのも良いだろう。

 オリジナルのPlayStation 2版発売から13年が経過し,なおも色あせることのないこのワンダと巨像。それがフルリメイクという形で蘇ったことで,当時のファンであれば頭の中で補完していた世界が,そのまま目の前に広がっているかのような感慨に浸れることはず。
 もちろん,当時のファンが懐かしむだけでなく,このフルリメイクによって本作の魅力を知り,新たにファンになる人も増えそうである。

 来る3月9日には「Music 4Gamer #2『ワンダと巨像』ピアノ&オーケストラコンサート」が開催される。こちらに足を運ぶ予定の人は,あらためて本作をプレイして,どこでどんな音楽が流れていたのかを気に留めておけば,コンサート自体もさらに楽しめるものになりそうだ。

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「ワンダと巨像」公式サイト

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