舞台「ヒプマイ」《Rep LIVE side Rule the Stage Original》ゲネプロ公演をレポート。舞台オリジナルディビジョン＆キャラによる単独ライブ

　「舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage」（以下，「ヒプステ」）の新作公演《Rep LIVE side Rule the Stage Original》が，2023年8月9日から8月13日にかけて，都内の品川プリンスホテル ステラボールにて開催された。

「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」（以下，「ヒプマイ」）は，キングレコード EVIL LINE RECORDSがおくる音楽原作キャラクターラッププロジェクト。楽曲，TVアニメ，舞台などさまざまなメディアで展開されており，2020年3月26日にはゲームアプリ「ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-」（iOS / Android）もリリースされている

　本公演は，原作「ヒプマイ」には登場しない，舞台オリジナルディビジョン＆キャラクター（アカバネ・ディビジョン“North Bastard”，アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”，“糸の会”，“道頓堀ダイバーズ”，“D4”）による単独ライブ公演だ。ライムに乗せた大胆なパフォーマンスを堪能できるライブパートや，キャラクターたちのやりとりが見どころの芝居パートが楽しめる。

　ここでは，本番に先駆けて8月9日に行われた関係者・マスコミ向けのゲネプロ公演の模様をお伝えしよう。

〈公演日＆会場〉
2023年8月9日〜8月13日
品川プリンスホテル ステラボール

〈出演者〉※敬称略
アカバネ・ディビジョン“North Bastard”
堂庵 和聖：岸本 勇太
狐久里 梁山：南部 海人
蛇穴 健栄：松浦 司

アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”
鬼灯 甚八：加藤 良輔
駒形 正宗：和田 泰右
影向 道四郎：結城 伽寿也

“糸の会”
大蜘蛛 弾襄：植野堀 誠

“道頓堀ダイバーズ”
小鳥遊 ハル：星野 勇太
茜ヶ久保 遼太郎：高橋 祐理

“D4”
谷ケ崎 伊吹：高橋 駿一
有馬 正弦：福澤 侑
阿久根 燐童：岡野 海斗
時空院 丞武：後藤 大

ディビジョン･ダンス･バトル “D.D.B”
Toyotaka
RYO
gash!
SHINSUKE
HILOMU
Dolton
KENTA
GeN
KIMUTAKU

【映像出演】
綿本 裕孝：北乃 颯希

〈原作〉EVIL LINE RECORDS
〈演出〉植木 豪
〈脚本〉亀田 真二郎
〈音楽監督〉KEN THE 390
〈テーマソング〉井手コウジ
〈主催〉
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』 Rule the Stage製作委員会

初っ端から各ディビジョンの個性大爆発のライブ

　ライブが始まると，全ディビジョンとキャラクターたちが舞台上に勢揃い！　本ライブのテーマ曲「Rap Squad-Rule the Stage Orignal Ver-」を，各キャラクターの魅力たっぷりに歌い上げていく。

　各ディビジョンのハンドサインを掲げながらも，バキバキのダンスを決めてライムを刻む姿は圧巻のひと言。楽曲の雰囲気にあわせた映像と歌詞もステージ上のスクリーンに流れるので，それぞれの世界観により浸ることができた。また，映像出演ではあったものの，「ヒプステ」オリジナルキャラクターの1人，綿本 裕孝がライブ中に登場する場面も！　ステージ上と映像とで目が忙しかった。

　圧巻の開幕を飾ったあとは，各ディビジョンの代表曲が続いていく。
　初陣を飾るアカバネ・ディビジョン“North Bastard”の「We Are North Bastard」では，冒頭でコール＆レスポンスのレクチャーもあり，ゲネプロとは思えない大きな盛り上がりを見せる。曲中では，ディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”にも負けないダンスパフォーマンスを披露していたのが印象的であった。

アカバネ・ディビジョン“North Bastard”

　アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”の「アサクサBounce」は，ディビジョンらしさが色濃く出た和太鼓の音色に合わせて，赤いサインライトをバチに見立てた漢らしいパフォーマンスを披露！　“D.D.B”の，頭で高速回転するパフォーマンスにも，思わず目と心を奪われてしまった。曲の最後では，鬼瓦ボンバーズ発案のゲーム「セイヤソイヤゲーム」をみんなで楽しむ一幕も。

「セイヤソイヤゲーム」とは，鬼瓦ボンバーズが「セイヤ」と言ったら会場のファンが「ソイヤ」，「ソイヤ」は「セイヤ」，「鬼瓦」には「ボンバーズ」と返していくいわゆるコール＆レスポンスだ。ゲネプロでもテンポよく，リズミカルにコール＆レスポンスが沸き起こっていた。筆者も仕事でなければやってみたかったところ……！

　今回のライブ中で最も爽やかな“道頓堀ダイバーズ”による「School Rap」では，学生らしく「最高の夏休みにしましょうね！」と笑顔を見せながら，明るく楽しいライムを刻んでいく。本ライブでは綿本は映像出演のため，コンビでの歌唱になるが，息ピッタリのボケツッコミ，まぶしい笑顔が舞台上で冴え渡っていた。

道頓堀ダイバーズ

　明るい雰囲気からダークな雰囲気へとガラリと変わった“糸の会”の「幸福世界」では，大蜘蛛 弾襄の大人で優雅な振る舞いに，思わず目も心も囚われそうになる。ここでも独特なコール＆レスポンスが行われて，弾襄の「間違っているのは？」という呼びかけに，会場は「私です！（僕です！）」と声を挙げる光景は，この会場が一瞬，糸の会のために集まったかのように錯覚してしまった！

糸の会

　各ディビジョンの代表曲コーナーの最後を飾るのは，“D4”の「脱獄」。「せっかく来たんだ，ゲネプロとか関係ねぇよ！」と，有馬 正弦が熱い言葉を投げかけて，会場はさらにヒートアップ！　4人それぞれの個性が表れた楽曲を，強者感を感じられるクールなパフォーマンスで魅せてくれた。

D4

それぞれのやりとりと和やか（？）な物語に注目！

　ライブ前半の締めを飾ったNorth Bastardの荒々しさを表現した楽曲「We are アウトロー」のあとは，各ディビジョンのやりとりが必見の芝居パートが始まった。


　弾襄の依頼によって100億もするダイヤモンドパールを盗み得たD4。この宝石で新たな組織を作れると意気込む弾襄だが，時空院 丞武の手によって，その場にあったお祭り道具のガラガラ抽選箱の中にダイヤモンドパールが紛れ込んでしまう。

　この場をなんとかしようとする阿久根 燐童であったが，そこへやってきたお祭りの準備に勤しむ鬼瓦ボンバーズに，お祭りのバイトと間違えられて連れていかれる羽目に。やっと手に入るはずだったダイヤモンドパールが離れてしまい，ショックでその場で倒れる弾襄。このライブでしか見られない，とてもレアで愉快なひと幕である。

ドタバタ劇の発端となったお茶目な丞武は，弾襄の糸の会のポーズにしばしば指を合わせたり（もちろん拒否されてしまう），好物の糖分（縁日のチョコバナナと綿あめ）を目一杯頬張ったり，会場の笑いを誘っていた。振り回されまくる弾襄も非常に可愛らしい

　芝居パート後半は，賑やかなお祭りの場面から始まり，柄悪くお祭りの運営を手伝うNorth Bastardと，彼らからお金を巻き上げられながらも純粋にお祭りを楽しむ道頓堀ダイバーズたちが登場する。


　そんななか，お祭りの目玉であるダイヤモンドパール入りの抽選会がいよいよ実施されることに。抽選会に挑戦するためには，縁日を楽しむことでもらえる抽選券をゲットしなければならない。ダイヤモンドパールを穏便に取り戻すため，D4の面々は縁日を楽しむことになるが……。


　最終的に，ダイヤモンドパールは道頓堀ダイバーズの小鳥遊 ハルの手に。おばあちゃんへのお土産にしようと笑顔で帰路に着くハル。ほかの面々は引き続きお祭りを楽しむ姿が描かれていくなか，芝居パートは和やかに幕を閉じた。「ヒプステ」の本公演では見られない，笑顔に溢れたエンディング（弾襄はかわいそうだが）にほっこりとさせられた……！

ライブ後半戦では，新曲のお披露目も♪

　後半のライブでは，テーマ曲「Rap Squad-Rule the Stage Orignal Ver-」以外にも，新曲が数曲登場。

　道頓堀ダイバーズ＆糸の会による「陰陽」は，歌唱するパートごとにがらりと雰囲気が変わる。道頓堀ダイバーズのパートはキラキラ爽やかだが，糸の会パートは一気にダークな雰囲気に会場全体を染め上げていく。1曲の中にまるで2曲入ったかのような楽曲だ。

　D4の「Freedom Freedom」は，4人の妖しげでキレキレなダンスパフォーマンスとクールで流暢なライムを刻んでいく。あらためて彼らの素晴らしさを噛み締められる1曲であった。

　本編ラストで披露された全員による「Right here Right now」は，楽しそうにグッズのタオルを振ったり，キャストが客席に降りて会場のみんなに笑顔を向けたりしている姿がステキであった。さらに，キャストは2階席にも登場！　端から端までのファンに感謝を込めて，パフォーマンスを全力で届けていた。

　アンコールでは，黒いシックな衣裳に身を包んだキャラクターたちが登場し，本公演の主題歌メドレーを大熱唱！　最後は，全員からひと言ずつメッセージが送られ，舞台オリジナルキャラクターの魅力を堪能できたライブは終幕となった。

　新曲だけでなく，芝居パートも必見の本公演は，8月9日19：00公演と，8月13日18：00公演が「ABEMA PPV ONLINE LIVE」にて独占ライブ配信が実施されていた。チケットの販売期間と見逃し視聴期間はそれぞれ異なるので，気になる人は今すぐチェックしよう。

【購入ページ】8月9日19：00公演
見逃し視聴：8月15日23：59まで

【購入ページ】8月13日18：00公演
見逃し視聴：8月19日23：59まで

「舞台『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage」公式サイト