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KDDIが2016年3月期決算説明会を開催。営業利益は3期連続で2ケタ成長を達成,“au経済圏”を最大化してライフデザイン企業への変革を目指す
本稿では,同社の代表取締役社長である田中孝司氏によるプレゼンテーションの模様をレポートする。
2016年3月期決算説明会 (2016年5月12日)
プレゼンテーション資料 (※PDF)
http://media3.kddi.com/extlib/files/corporate/ir/library/presentation/
2016/pdf/kddi_160512_main_dLbc5r.pdf
決算詳細資料(数値データ)(※PDF)
http://media3.kddi.com/extlib/files/corporate/ir/library/presentation/
2016/pdf/kddi_160512_data_hw871a.pdf
決算短信(※PDF)
http://media3.kddi.com/extlib/files/corporate/ir/library/presentation/
2016/pdf/kddi_2016_c_Ty4n2P.pdf
まず,決算短信によると,KDDIの2016年3月期の業績は,売上高が4兆4661.3億円(前年同期比4.6%増),営業利益が8333.5億円(同25.2%増)となる。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比24.9%増の4945億円,EBITDAは同9.8%増の1兆4410億円とのこと。
固定通信サービスの契約でau携帯電話の利用料金が割り引かれるauスマートバリューにより,auの契約数は2016年3月末時点で1155万,世帯数は572万に到達。また,auスマートパス会員は前期末から158万人増の1447万人となった。田中氏は,3M(マルチユース,マルチデバイス,マルチネットワーク)戦略の推進により,強固な顧客基盤が確立できたと述べた。
利益成長では,営業利益で3期連続で2ケタ成長していることをアピール。3期分で見ると日本基準とIFRS(International Financial Reporting Standards。国際財務報告基準)が混在する形になってはいるが,順調に推移していることには違いない。
株主還元では,配当性向が30%超を達成していることをアピールするとともに,期末配当を5円増加した通期70円にする予定だという。合わせて,2016年5月13日から9月23日の期間,1000億円/3800万株を上限に,自己株式取得を行うことが報告された。
最初の変革については,これまでは3M戦略で事業成長を推し進めてきたが,これからは「お客様視点」と「革新」の2軸を重視していくという。
とはいえ,国内通信事業では,引き続き3M戦略を継続していくのは変わらない。スマートデバイスの浸透からIoTサービスの普及促進により,au契約者数1人あたりの月間売上高(ARPA,Average Revenue Per Account)を最大化していくそうだ。
さらに,1400万超の会員数を誇るauスマートパスや2500店舗以上のauショップ,電子マネーのau WALLETなどを連携させたオムニチャネルで,通信のみならずコマースや金融,電気事業といった分野を含めた総合的なライフデザインを提供していくことになる。この“au経済圏”を推進するうえでは,本人確認のできている決済プラットフォームを持ち,さらに購買データなどのビッグデータを活用できる基盤があることが後押しになるとのこと。
グローバル事業では,ミャンマーにおける通信事業の推進,モンゴルMobiComの連結子会社化など,コンシューマ向けの取組を推進するとともに,TELEHOUSEを核とした法人向けデータセンター事業を積極的に展開していく。
そのほか,3年間で5000億円規模のM&Aを計画しているとのこと。対象事業については明言されなかったが,田中氏の口ぶりからすると,“au経済圏”の成長に向けてのM&Aが実施される可能性が高そうな印象だ。
ちなみに,5月12日付で,事業目的に「(33)酒類の販売」を追加するという定款一部変更のお知らせが出ている(公式サイトのリリース)。
株主向けには,1株あたりの配当金を6期連続2ケタ増配を目指すとし,配当性向を35%にするとともに,実施予定の自己株式取得で発行済株式総数の5%を超過した分は消却するという。なお,5月12日付けで7039万6543株の消却が決議されたことも発表されている(公式サイトのリリース)。
そのほか,株主優待制度にau WALLET Marketの人気商品詰め合わせセットを加えると告知された。
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