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[TGS2023]メタバース産業は日本における最後の砦。「クラスター事業戦略発表会」レポート。クリエイターが羽ばたける環境作りと産業発展を
TGS 2023の「クラスター」ブース |
発表会のステージには,クラスターの代表取締役である加藤直人氏が登壇。同社のブースが昨年の3倍の規模となったことや,国内主要自動車メーカーとコラボしたプロジェクトで,バーチャル空間で“車の未来を創る”体験ができる自動車ゲーム「爆創クラブ」を公開したことをアピールした。
クラスターの代表取締役・加藤直人氏 |
クラスターはこの1年あまりで,バーチャルコミュニティが大きく広がったそうで,公開イベント数も昨年と比較して3倍近くに増加し,それに伴いユーザー数も増えてきているという。エンターテインメントに限らず,さまざまなビジネスシーンでも活用されていて,その数は200社以上にも上っている。
経済活動も活発だ。昨年は,メタバース上に設置できるクラフトアイテムや,アバターが身に着けられるアクセサリーを製作・販売できるストアをオープンしている。現在は,約3万点ものアイテムが販売されており,数万円から数十万円の売上を出しているクリエイターもいるという。
今年6月には,メタバース内での経済活動を支える「クラスタークリエイタージョブズ株式会社」も設立された。事業内容は,クリエイターがクラスター内で生活ができるよう,彼らの力を必要とする企業とマッチングさせて物作りをするというもの。7月からスタートしていて,水面下では具体的な案件もいくつか動いていているそうだ。近いうちに,その内容も発表できるとのこと。
加藤氏は2030年までに,参加人口10億人を超えるメタバースが登場すると予言しており,“メタバース産業は日本における最後の砦”だとも述べている。
国内には多くのゲームやアニメのIPを作れる土壌があり,アバターへの造詣も深い。またクリエイターがプロ・アマ問わず数多く存在しているので,メタバースにはその可能性が秘められているのだという。
そこに対しクラスターは,「どこよりも手軽で安心安全」「圧倒的なクリエイター体験」「攻めのグローバル展開」の3つの戦略を打ち立て,メタバースをこれまで以上に発展させることを約束した。
誰にでも使えて誰にでも安全に使えるメタバース環境を提供。教育機関との提携でクリエイターの育成にも尽力する |
作りたいものが作れるのがメタバースのいいところで,創作をサポートするAIにも積極投資をしていく |
積極的なコラボをすることで,グローバル化を目指す。こちらは昨年に北米で実施された「FGO」とのコラボ |
ここでステージに,ソニーのモーション事業担当部長(mocopi事業室長)である相見 猛氏が登壇し,今年1月に発売されたモーションキャプチャーデバイス「mocopi」を紹介した。
「mocopi」は,大がかりな機器を必要とせず,6つの小さなデバイスとスマートフォンがあればモーションキャプチャーができるというもの。主に,VTuberのクリエイターを支援することを目的に開発され,現在は対応アプリを3か月に1回アップデート,配信者が新しいコンテンツを作れるような機能を追加している。
ソニーのモーション事業担当部長で,mocopi事業室長の相見 猛氏 |
「mocopi」は,クラスターともパートナーシップを結んでいる。今年5月から正式対応し,メタバース内でユーザーが本当にその場所に存在するようなコミュニケーションを可能としている。
氏は最後に,深い知識や大げさな機材を必要とせず,気軽にメタバース空間を楽しめる環境作りをすると宣言し,あわせてクラスターをはじめ各社と協力して,世界に向けてサービスを拡大していくことを約束した。
発表会の第2部では,タレントの山之内すずさんが「mocopi」を装着して,クラスターのメタバース空間を体験していた |
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