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「Sapporo Game Camp 2023」現地レポート。100名超の参加者によるゲームジャムやプログラミング講座,トークセッションなどを実施
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印刷2023/10/14 08:00

イベント

「Sapporo Game Camp 2023」現地レポート。100名超の参加者によるゲームジャムやプログラミング講座,トークセッションなどを実施

 Sapporo Game Camp 実行委員会は,若手ゲームクリエイター育成とデジタルエンターテインメント業界の活性化を目的とするイベント「Sapporo Game Camp 2023」を札幌市産業振興センターにて開催した。

 開催2年目となる今年は会期を3日間(10月6日〜8日)に延長し,規模を拡大。100人以上の参加者が集まったゲームジャムや,札幌市を拠点とする協賛ゲームメーカーのクリエイターによるトークセッション,小中高生を対象とした「ぷよぷよ」のプロ選手によるプログラミング講座&eスポーツ体験会などが行われた。本稿ではその模様をレポートする。

※構成員:インフィニットループ,セガ札幌スタジオ,ロケットスタジオ,一般財団法人さっぽろ産業振興財団,札幌市

手前左から「Sapporo Game Camp 2023」実行委員長 瀬川隆哉氏と札幌市長 秋元克広氏。後方は3日間のゲームジャム参加者のみなさん
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「Sapporo Game Camp 2023」公式サイト



100人を超える参加者がゲーム開発に取り組んだゲームジャム


 「Sapporo Game Camp 2023」のメインイベントとなったゲームジャムは,ゲーム開発に興味がある18歳以上の参加者が即席の開発チームを組み,初日に発表されるテーマに基づいたゲームを会期の3日間で開発するという企画だ。
 今年は事前募集80名(1チーム5名)の枠を大幅に超える申し込みがあり,急きょ参加枠を128名(1チーム8名)に拡大。初日には都合で欠席となった参加者を除く104名が会場に集合し,運営によって事前に決められたチームに分かれてゲーム開発に取り組んだ。また,札幌で活躍するプロのゲームクリエイターも参加し,サポート役として各チームのゲーム開発に関わった。

16チームによるゲームの開発拠点となった産業振興センターの講堂。参加者は決められたチームの卓で3日間のゲーム開発を行った
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 オープニングセレモニーでは,「Sapporo Game Camp 2023」実行委員長の瀬川隆哉氏より参加者へのメッセージが贈られた。瀬川氏は“ゼロからものを作ることの楽しさ”を説き,「このイベントを通じて,何かきっかけとなるものを発見して,それを成長につなげられることを切に願っています」と参加者を激励した。

「Sapporo Game Camp 2023」実行委員長を務める,セガ上席執行役員 エグゼクティブスタジオオフィサー,セガ札幌スタジオ 代表取締役社長 瀬川隆哉氏
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 続いて登壇したのは,札幌市長の秋元克広氏。ご当地札幌には今も昔も多くのゲーム関連企業が拠点を持っていることに触れ,それが仕事として関心を集め,就職先としても注目されていることをアピール。「このイベントは“キャンプ”ですので,楽しみながらチームで物作りをしていただいて,何が自分の得意分野なのかを,ぜひこの機会に発見してください」とメッセージを贈った。

札幌市長 秋元克広氏
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 ここで今回のゲームのテーマが発表となった。そのテーマは「増殖」。これは意味をそのまま捉えても,独自に解釈するのもありで,必ずそれをゲームに盛り込んで開発することがルールとなる。セレモニーが行われた講堂を会場に,各チームがPCなどの開発ツールを持ち込まれ,いよいよ開発スタート。会場での作業は各日22:00までだが,閉場以降,別の場所で開発を進めるのはOKだ。
 2日目の午前までに各チームの企画を決めて,チームの代表がそれを発表。そして3日目の午前中にはα版を発表するところまで開発を進め,同日15:00に完成したゲームの最終発表を行うというスケジュールとなっていた。

「増殖」というテーマ発表後,各チームはお互いの自己紹介もそこそこに,開発をスタートさせた
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公式ロゴの入ったTシャツを着ているのが,開発をサポートするプロのクリエイター。その中には,初日の基調講演(関連記事)に登壇したスマイルブームの小林貴樹氏の姿も
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2日目の企画発表。開発するゲームの内容を代表者がプレゼンする

ゲームジャム会場には協賛企業や団体によるブースの出展も。参加者の開発に関する相談にも応じていた
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 ゲームジャムの目的は,“参加者がゲーム開発の過程を体験すること”にある。コンペティションではないので,完成したゲームを評価したり,順位をつけたりするわけではない。各々は自身の得意分野のみならず,必要な分野を互いに補うなどして,ときにプロの開発者にサポートを受けながらゲーム開発のスキルを身に付けていった。この3日間の様子はXのハッシュタグ「#SapporoGameCamp」で関係者や参加者がリアルタイムでポストしているので,そちらも見てほしい。



プロ選手が「ぷよぷよ」を使ってプログラムを手ほどき。eスポーツ大会の運営体験も


 会期2日目と3日目には,小中高生を対象とした「プログラミング講座×eスポーツ体験会」も実施された。セガの「ぷよぷよ」のソースコードを活用し,同作のプロ選手が講師となってプログラミングを学ぶという,「ぷよぷよ」を使ったプログラミング学習の場ではおなじみのものだ。今回はそれに加えてeスポーツ体験も行われた。

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左からlive氏,ぴぽにあ氏,delta氏。live氏は地元札幌の出身だそう
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小学生の部には約30名の児童が参加した

 取材をした小学生の部には約30名の児童が参加。講師はぴぽにあ氏,live氏,delta氏といったおなじみのプロ選手で,各地で行っている講座でも講師として登壇している。生徒達は付き添いの親御さんが見守る中で,プログラミングの基礎を学び,自ら書いたプログラムによって,画面にぷよが表示され,それが正しく並んで落ちて消えるといった一連のゲームプレイが可能となるまでの過程を学んだ。

エディターでプログラムのデータを入力して,ゲームを作っていく
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分からないことがあるときは講師が直接手ほどきをする
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後半ではゲームに関する著作権やネットリテラシーの解説も行われた

 後半のeスポーツ体験では,「ぷよぷよeスポーツ」を実際にプレイして練習をして,そのスコアの高かった生徒がeスポーツ選手としてトーナメントへと出場する流れが説明された。さらにそのトーナメントを大会に見立て,進行のMCや撮影カメラマン,インタビュアーといったeスポーツに関わる職業の体験も行われた。
 トーナメント出場者のなかには実際に大会に出場しているという参加者もいて,実況・解説のプロを驚かせる腕前を披露していた。運営側を体験した参加者が,各々の職務を立派にやり切っていたのも印象的だった。

eスポーツ種目である「ぷよぷよ」をプロの手ほどきで学ぶ
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進行MCやカメラマンなども参加者の中から選ばれた
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トーナメントは多くの大会に出場し,優勝経験もあるルート選手(右)がプロも驚かせる実力を見せ,チームを組んだ山川選手とともに優勝をおさめた
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 イベント初日のゲームジャム開始前には,札幌の協賛企業のゲームクリエイターによるトークセッションが実施され,ゲームジャム参加者も多数詰めかけていた。
 セッションのなかから,基調講演「札幌のレジェンドクリエイター達が語る,札幌のゲーム開発のあの時,そして今」と,トークセッション「ゲームジャムから始める,クリエーターへの一歩」のレポートを掲載しているので,こちらもぜひ読み進めてほしい。

ゲームジャム参加者も含め,多くの来場者がクリエイターのトークに耳を傾けた
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 札幌で2023年10月6日〜8日に開催された「Sapporo Game Camp 2023」にて,札幌を拠点とするゲーム企業のクリエイター3名による基調講演が行われた。業界歴30年以上のベテランクリエイターたちが,会場に集まった学生たちに向けて“札幌でのゲーム開発の今”を語った講演をレポートしよう。

[2023/10/14 08:00]
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[2023/10/14 08:00]

「Sapporo Game Camp 2023」公式サイト

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