「Diablo III」，NDAなしのクローズドβテストが行われ，さまざまな動画や最新情報が。オープンβテストも近いかも

　Blizzard Entertainmentが現在開発中のRPG「Diablo III」（PC/Mac）で，従業員の家族や友人に限定したクローズドβテストが始まった。どうしたわけか，NDA（Non Disclosure Agreement＝秘密保持契約）の制約がないらしく，幸運にも一足早くDiabloの世界を体験した人達が，ネット上でインストール画面やプレイ動画までを次々と公開しているのだ。

「Diablo III」公式サイト

　BlizzardのCEO，Mike Morhaime（マイク・モーへイム）氏は，2011年9月2日に行われた投資家/アナリスト向けの懇談会で，今後のBlizzardの動きとして，まずBattle.netにおけるDiablo 3のβテスト開始をあげており，ここではオークションハウスの機能が試される。同じ日にはβテストの参加要請がメジャーなファンサイトなどへ送られていたという。
　さらに，9月7日には“Bashiok”のハンドル名で知られるコミュニティマネージャー，Micah Whipple（マイカ・ウィップル）氏が，「Friends and Family Test」と呼ばれるクローズドβテストの開始を公式フォーラムで発表したという流れが，ここまであった。

　興味深いのは，多くの新作ゲームでは，CBTの参加者にNDAを求めるのが普通だが，Blizzardはこれを行っていないらしいことだ。そのため，各ゲーム情報サイトやファンサイト，そしてYouTubeなどに，すでにさまざまな画像や映像が公開されており，現時点では，Blizzardがそれをチェックしている様子も見られない。もっとも，この内輪のテストのために，外部に出ても構わないバージョンを用意した可能性もあり，製品版と同等かどうかは保証の限りではないが。

　ともあれ，気になるのはそれに続くオープンβテストだろう。今後はファンサイトやβテスターの経験を持つコアファン，さらには2011年10月に開催されるBlizzCon 2011の参加者などへβテスト参加が要請され，その後に一般参加者を募っていくことになるはずだ。
　2010年7月17日にリリースされた「StarCraft II: Wings of Liberty」は，発売の5か月前にあたる2月17日からCBTをはじめ，5月12日にOBTに移行するというスケジュールだった。今回はオークションシステムやRTMの導入などによって，StarCraftよりも複雑なテストを求められるはずで，単純には比べられないが，このStarCraft IIのスケジュールをDiablo IIIに当てはめると，2011年内の発売の可能性は難しいかもしれない。ただし，Blizzardは依然として「年内発売に希望を持っている」という発言を撤回していないようだ。


　発表された発売日から実際のリリースまで1年の遅れを出してしまったStarCraft IIを反省し，Diablo IIIではなかなか正式発売日を発表しようとしないBlizzardだが，いずれにせよリリースが迫っている雰囲気は濃厚で，超大作の多い欧米ゲーム業界の年末商戦へも，影響を与えそうだ。今回のFriends and Family Testの情報で，何か新しいものが出てきたら，すぐにお伝えしたい。