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[TGS2022]影から影へと飛び移るアクションパズル「SCHiM」のプレイレポートを掲載。直感的なルールとオシャレなビジュアルが魅力的な一作
TGS2022出展タイトルを対象とした「センス・オブ・ワンダー ナイト」にて,Audience Award GPを受賞した本作は,オランダのEwoud van der Werf氏が開発を手がけるアクションパズルゲームだ。直感的なルールと洗練されたビジュアルが印象的なタイトルなので,その手のゲームを探している人はぜひご一読いただきたい。
「SCHiM」公式サイト(英語)
光と影が織りなす,直感的なルールとオシャレなビジュアル
本作の主人公は,人の魂である“スキム”だ。プレイヤーはひょんな事で身体から抜け出てしまったスキムを操作し,手遅れにならないうちに元の身体へと戻らなくてはならない。しかしスキムが動けるのは影の中だけだ。影から影へと進み,ステージのゴールを目指すのが本作の目的となっている。
スキムにはジャンプ能力があるので,今いる影から次の影へ,また次の影へと飛び移っていける。見た目と相まって,影づたいに跳ねる黒いカエルのようだ。影がないところに着地してしまうとミスになってしまうので,周囲に影がないときは頭の使いどころ。辺りの様子を観察して解法を見つける必要がある。
例えば近くにジョギングしている人がいるなら,その影が近づいたときに入り込めば運んでいってもらえる。しかしながらジョギングのコースとスキムのゴールが一致するとは限らない。そのまま望まないところへ連れて行かれることもあるので,タイミングを見計らってまた別の影に飛び移る必要があるわけだ。
スキムが無生物の影に入ったときは,その物品を動かすことも可能だ。遮断機の影に入れば,これを倒すことでさらに遠くに進めるようにできるし,パラソルのシャフトをしならせて自分を射出するといったこともできる。またゲーム的に意味のある行動だけでなく,ただ自転車のベルを鳴らしたり,ゴミ箱を揺すって中のゴミを飛び散らせたりなど,お遊びができるのも面白いところだ(もしかしたら何かの役に立つのかもしれないが)。
影伝いに移動していくのは子どもの頃にした遊びのようでもあり,ルールとしては直感的にも分かりやすい。影から出るとミスになるがペナルティはなく,残機の概念もないので,安心してトライアンドエラーできる。
影から影へジャンプするアクション要素と,周囲の環境をどう利用するかのパズル要素がほどよくミックスされていて,「アクションゲーム」と「パズルゲーム」のどちらとも言えないバランスなのも高評価だ。車や人といった動く影から動く影へとタイミングを図って飛び移るのはスリリングだし,正解ルートが分かったときの壮快感も楽しめる。
あえて色数を抑えたアートスタイルもまた,光と影のコントラストが強調された独特の雰囲気を持っていて,オシャレであると同時にゲームの分かりやすさに貢献している。本作の取っ付きやすさは,このアートスタイルによるところも大きいのかもしれない。
そんな「SCHiM」の発売日は今のところ明らかになっていないものの,Steamのストアページは公開済だ。気になる人はウィッシュリストに登録しておくといいだろう。